鈴木健.txt/場外乱闘 番外編

スカパー!公認番組ガイド誌『月刊スカパー!』(ぴあ発行)のスポーツ(バトル)では、サムライTVにて解説を務める鈴木健.txt氏が毎月旬なゲスト選手を招き、インタビュー形式で連載中の「鈴木健.txtの場外乱闘」が掲載されています。現在発売中の2023年4月号では、第105回ゲストとして「チャンピオン・カーニバル」連覇を目指す全日本プロレス・青柳優馬選手が登場。誌面では惜しくも載せられなかった部分を含めて大公開!!

※『月刊スカパー!』(ぴあ発行)の定期購読お申込はコチラ
※鈴木健.txt氏 twitter:@yaroutxt facebook:facebook.com/Kensuzukitxt

青柳優馬(全日本プロレス)x鈴木健.txt 場外乱闘 番外編

今を生きる我々を、
今を生きる人たちの目で
しっかり見てもらいたい

青柳優馬(全日本プロレス)

よく書かれていないこと
にも“いいね”をつける理由

今年のチャンピオン・カーニバルを迎えることで初制覇から1年が経つことになるわけですが、時間が経った今、青柳選手の中ではどのようなものとして残っていますか。また、その後のご自身になんらかの影響は及ぼしていますか。

青柳 初めて優勝しただけでなく、最年少記録(26歳6ヵ月)まで作ることができたのは名誉だと思うし、これからずっと自慢できる材料になったなと思います。ジャンボ鶴田さんの追善興行に出させていただいた時(昨年5月31日)も優勝トロフィーを持ってファンの前を練り歩いたんですけど、あれも自慢のためでしたから。そういうことができるところにチャンピオン・カーニバルのバリューがあるわけだし、さらに最年少優勝というのも自慢材料になると。

自慢屋さんなんですね。

青柳 その一方では歴史のある大会に優勝したことで、立ち振る舞いを気にするようになりました。たたずまいを見ただけで「ああ、やっぱりこの人がチャンピオン・カーニバルに優勝したんだな」って思えるように見せていかなければいけないとは思いましたね。

どちらかというと青柳選手のイメージは陰湿などと言われつつもハッチャけたスタイルですよね。そこに覇者としての重みを加えると。

青柳 そこは自分自身、変わるつもりはなかったんですよ。今まで通りにやりたかった。ただ、見られる目が変わったっていう感じがあったので。

自分に向けられる視線が変わりましたか。

青柳 はい。一プロレスラーではなく、トップレスラーの中に入ったという見られ方を全日本プロレスのファンにされるようになったなと感じました。そうなると、お客さん相手の商売ですから、見方が変われば自分も変えていかないと生き残るのは難しい業界だと、カーニバルで優勝したあとに思ったんです。

ご自身としても優勝したことで自分のステージを上げられた手応えは持てたんですか。

青柳 そうですね、それは自分でも得られました。ただ、結果がともなわかったですけど。

優勝後に宮原健斗選手の三冠ヘビー級王座に2度挑戦しながら獲れなかった。それでも日本のプロレス界が誇るロングセラーブランドの歴史に、名前が刻まれたことに変わりはありません。ファン時代に見ていた歴代優勝選手と自分の名前が並んだことをどう受け止めていますか。

青柳 これも自慢のポイントになります。プロレスファンだった頃の自分は想像もしていなかったですから。僕が見ていた頃は、鈴木みのるさんが優勝していた時代。これも過去の自分に対して自慢したい。

自分にまで自慢をすると。

青柳 これから先、こういう自慢できることがあるかどうかはわからないわけじゃないですか。チャンピオン・カーニバル優勝という大きな花は咲かせたけど、もう一度大きな花を咲かせられるか保証はないわけですから。仮に今後、そういう実績がなかったら一生この大きな花を自慢し続けてレスラー生活を終えます。

いやいや、これからも実績をあげてもらわないと。

青柳 もちろんそこは頑張ります。

全日本プロレスはリーグ戦もタイトルも長い歴史があります。青柳選手はプロレスラーとして活動する中で、歴史というものは強く意識するタイプですか。

青柳 そこまで意識はしていないです。その頃を見ていたお客さんと今のお客さんでは全然層が違うんで。今を生きる我々を、今を生きる人たちの目でしっかり見てもらいたいというのがある。見る側からすれば歴史を意識したり、昔と比べたりするでしょうけど、今のプロレスが好きで見に来てくれる人たちのためにできたらいいと僕は思っているので。

武藤敬司さんが「思い出と闘っても勝てねえんだよ」と言いますが、歴史の重みと向き合って同じように全日本の人間として実感することはあるんですか。

青柳 そこに関しては、カーニバルに優勝した記事が出て、普段は見ていないような人たちのヤフコメが目に入った時に痛感しました。ヤフーニュースに「青柳優馬、最年少記録達成」って出たんですけど、それまではコメントなんてほとんどつかなかったのが、その時はたくさんついて。「ジャンボ鶴田の記録を抜いた」っていう記事の内容に対し「こんなレスラー、知らねえよ」とか「ジャンボ鶴田と比べたら、こんなレスラーはしょうもないだろ」みたいな、やっぱり昔と比べられるコメントが多かったんです。

ありがちな内容ですね。

青柳 その時、見る側は比べるよなって思いました。でも、それは仕方がないというか過去は変えられないので、今から過去に勝つ方法としては実績で超える以外にないというのが結論。今はそうやって目に見える形で声が届きますよね。僕はSNSのコメントも一通り目を通すようにしています。エゴサーチして、全然関係ないことを書いていても僕が画像に写っていたら“いいね”を押しますし。

そこまで細かくやるんですか。

青柳 かなりマメにやっていますよ、大会のあととかは。その中には僕のことを誉めるものもあればけなすものもある。よく書かれていない内容でも、いいねをつけるんです。なぜかというと、一つは圧力ですね。

圧力!

青柳 「本人が見てるぞ」というのと、あと一つはファンの意見としてとらえているという意味でのいいねです。間違いなく、全員に好かれるレスラーなんてこの世にいないわけだし、好かれていようと嫌われていようとお客さんの意見って一つひとつが大事だと僕は思っているので、そういったものもすべていいねをしています。

最近はファンの見方も変わってきましたけど、一時期は観客に対し「ざまーみろ!」と言うなどかなり煽っていたじゃないですか。その頃は、否定的な声が多かったんですか。

青柳 目に見える声に関しては、否定的な声も多くはなかったんです。なんだかんだ言っても全日本プロレスを応援してくれる皆さんは温かいので。あれを言った意図としては、お客さん同士がヒートアップするのを望んでいたんです。だから、対象は相手選手を応援するファンでした。それは今後も変わらないです。

あれほどあからさまに負の感情を観客に投げつけるというのも、あまりないです。

青柳 確かにそうですね。そこは完全に僕の性格によるものです。人って、そういうことを言ったあとは心が痛むものじゃないですか。僕はそれを感じなかったんですよね、言った時も。それよりも怖いものがあるから。それは、何も反応されないこと。

リアクションのない方が、嫌われるよりもさらにまずいと。

青柳 これは個人的な考えですけど、誹謗中傷とされるものもプロレスラーならば付き物だと思っているので、そういったアンチコメントが増えたらプロレスラーとしてようやく一人前になれたかなって思っていますね。

否定的なヤフコメが増える分には…。

青柳 ありがたいです。それよりもコメントがゼロの方が怖いとわかっているので。もちろん、肯定的なコメントが一番嬉しいですが…ああいった反応を見て、普段は今のプロレスを見ていない人たちにも伝わったという自信にはなりましたね。

ただ、それは気持ち的に打たれ強くないと精神的に持たないでしょう。

青柳 打たれ強いのは、プロレスラーとして最低限のセールスポイントだと僕は思っているんで。

肉体的な打たれ強さだけでなく、気持ちの面でも受けきれるのがプロレスラーだと。

青柳 人前に立つ仕事はそうですよ。チヤホヤされたいがためにやっていたら、生き残るのは難しい世界です。

打たれ強さのきっかけになった
2年前の鈴木みのるとの対戦

小さい頃から打たれ強かったんですか。

青柳 いや、そんなことなかったです。人の目を気にしていたし。気にしなくなりつつも、逆にある意味気にするようになったのがプロレスラーになってからで。それまでの自分はとにかく目立たないよう、周りに溶け込むことだけを考える人間でした。突出した何かがあったわけでもなかったので。それが、プロレスラーになったことで変わりました。

打たれ強さの話になって思い出したことがあります。2021年2月4日に、ジャイアント馬場さんの二十三回忌追善興行へ出場しましたよね(永田裕志&青柳優馬vs鈴木みのる&佐藤光留)。その時、まだ若手にカテゴライズされていた青柳選手が、あの鈴木みのる選手を相手にまったくひるんだり気持ちで押されたりすることなく自分のペースで向かっていったのが強く印象に残っているんです。あれを見た時「この人は怖いと思う対象がいない選手なのか」と思って。

青柳 あの時のことは僕もすごく憶えています。今だから言えるんですけど、ぶっちゃけ怖かったですよ。

そうだったんですか。

青柳 ただ、やってもやられても一番おいしい相手というのが自分の中では一番大きかった。あのカードが発表された時、両親もプロレスが好きで見ているので鈴木みのるという男が恐ろしい人間だとインプットされていたんでしょうね。何日か前に連絡が来たんです。「あんた、大丈夫なの?」って。

親が心配して連絡を。

青柳 父親は心配しつつテンション上がっていました。それこそチャンピオン・カーニバルを父と一緒に見ていたので、そういうのもあったからか、両親の目には鈴木みのる=怖いと。

親御さんまで恐怖を感じているってすごいですよね。

青柳 それで、僕がどうにかなってしまうのではと心配で「頑張ってね」って言われたんです。そのプレッシャーに加えて、僕自身も当時見ていて鈴木さんがすごいというのはありますし、プロレスラーの中で一番強いと思っているので、それに対し自分がどこまでいけるかを考えた時に、見ている人たちの前で退いたら男としてどうなんだ?というんで、一番はやられてもいいから自分らしさを貫こうと。必死こいてやりながらも、ひょうひょうとしていましたね。

その結果、見ている分には退いていなかったです。

青柳 本当ですか? だとしたら嬉しいですね。青柳優馬、大成功です。

その時に抱いた印象のまま、青柳選手はやっているなと思ってきました。

青柳 今、そう言われてみて、あの試合がそのきっかけにはなったんだなと思います。ああ、すごく今、実感が持てました。

あの試合のあとあたりから諏訪魔選手と対戦しても物怖じしないようになった感があって、宮原健斗選手との色の違いが明確になっていった。

青柳 あの人も、誰とやっても物怖じしないじゃないですか。まあ、方向性は違いますけど究極のマイペース。

実際のところ今、向かっていって怖さを感じたり気持ちで後れをとってしまったりするような相手はいるんでしょうか。

青柳 最近、一番感じるのは先輩よりも下から追い上げてくる人に対してですね。

後輩たちに。

青柳 今までは自分が一番若くてキャリアも浅くて、言ってしまえばなんでもできちゃうような時期があったと思うんです。それを下の人間から感じる部分もありますし。恐れているといったら、下からの追い上げになるんじゃないかって思います。

青柳選手は道場でコーチを務める立場なんですよね。

青柳 練習生をデビューさせるためのことは教えています。そこから、後輩をこうしたらいいとか、それはしない方がいいよみたいなプロデュースすることには関わっていないので、そんなには俺が教えてやったんだ!みたいなのはないし、上から目線で言うつもりはないですけど、やっぱり会社から青柳優馬が後輩担当という感じで任された以上は、プロレスラーとして人前に出て恥ずかしくない技術を持たせるのが教えるにあたって大切にしていることです。デビューしたらもう、新人だろうがなんだろうが僕のライバルになるわけですから。その下からの追い上げがここ最近の全日本プロレスでは強く感じられるので、僕は上よりも下の方に恐怖を感じています。これは失礼な話かもしれないですけど、僕がデビューする前から活躍しているレスラーはたくさんいるわけじゃないですか。その中で一世を風靡した人もいれば地味に終わってしまう選手もいるわけで。そういう人たちって、下からの追い上げによって自分が食われてしまったんだろうなって感じていて、今の僕にも降りかかってきている。それって、恐怖ではありますよね。追いかけるだけの人間だったのが、追われる側…まあ、青柳優馬なんて追いかけてねえよっていうやつもいるでしょうけど、下から来る勢いは正直に恐怖ですよ。

今年27歳の時点で、そういう恐怖を意識していると。

青柳 27と言ったって、僕も9年目ですから。年齢でいったら世間では若いってなるんでしょうけど僕より若くて、しかもルックスもよくて背が高い後輩が下にいるわけで、そういうのを考えると自分の立ち位置に甘んじてはいられないです。

追われるという意味では、今回のチャンピオン・カーニバルは前年度優勝者として言うまでもなく全員に狙われる立場にあります。

青柳 そこは今までのカーニバルとは違ってきますよね。同じブロックには本田竜輝、反対側のBブロックには安齊勇馬がいますけど、彼らは23歳ですよ。優勝されたら僕の記録なんて残らないわけです。

塗り変えられた時点で、まるでないもののようにされてしまう。

青柳 それが嫌なんで、とにかく今年はV2にこだわりたい。斉藤ジュンも同じブロックで、1対1であの大きさと対峙した時にどう切り崩していくかというのを今の時点で考えていますし、ほかにもやらなければならないことはありますけど、どうやったら青柳優馬は生き残れるかというのを考えます。全日本だけでなく、今はプロレス界全体の入れ替わりが激しい気がするんです。その中で青柳優馬の一時代を築くことなく終わっていくようにだけはなりたくないですから、頭を抱える日々です。

前年度覇者でありながら。宮原選手も同じAブロックです。

青柳 2月4日の八王子で三冠に挑戦して負けているし、シングルで勝ったことも一度もない。去年も、あの人と引き分けたことでブロック1位になっただけで、倒したわけではない。なのでチャンピオン・カーニバルでしっかりと勝ちたいですよね。

今年の目標は大晦日の
ダブルヘッダー!?

それにしても、宮原選手とは不思議な関係性が続いていますよね。はた目から見る分には面白いんですけど、当事者同士はどう思っているのか。

青柳 仲は別によくもないし、悪くもないという感じです。

悪くはないんですね。

青柳 普通ですよ。

いや、普通に見えないですよ!

青柳 なんというか、僕も感覚がちょっとおかしいのでわからないですけど、たぶん普通です。

そういうものですか。

青柳 向こうがどう思っているかはわからないですけど、一レスラーとしては同じライバルなわけですから、思うところはいろいろあります。勝ちたいもそうだし、あの人よりも有名になってやりたいという気持ちもあります。でも、同じ団体を支えていくという意味では仲間というのもありますからね。友達でもなんでもないですが、ここまで来るとちょっとした腐れ縁なのかなとも思うし。

宮原選手は誰と組んでも自分が一番目立とうとするわけですが、組む立場としてあれはOKなんですか。

青柳 全然いいんじゃないですか。結果を残すことができれば、内容はお客さんも反応次第だと僕は思っているので。なんだかんだ言って、最強タッグ(決定リーグ戦)2連覇している仲ですから。

実績を出せたら問題なしと。ジェイク・リー選手が全日本に所属していた時にこぼしていたんですが、NEXTREAMで一緒だった頃はパートナーの誰が勝っても試合のあとに宮原タイムが延々と続いて「待たされる身にもなってくれよと思った」と。青柳選手は…。

青柳 僕は季節によりましたね。夏だったら早く終わって汗拭きたかったっていうのはありましたけど、そういうのをすべて浄化してくれるお客さんの温かい目線だったり拍手だったり声だったりがあったので、そこは気にしていなかったです。

ずっとこういう距離感で関係が続いていくんですかね。

青柳 どうですかねえ…こうなるっていう保証はないのでアレですけど。今の自分だって、この立ち位置にいるのは結局のところ消去法だっていうのがあるんで。

消去法?

青柳 いろんな人たちがどんどんやめていって、残ったのが宮原さんで僕でっていうことなので。本当に、来年も宮原さんがいるか青柳優馬がいるかなんていうのは誰にもわからないわけだから、とにかく今をお客さんに楽しんでもらうことを大前提にやっています。その上で、あの人はあの立ち位置でいいんじゃないんですかね。

現在は、世界タッグ王座を保持する野村直矢選手が正パートナーとなるわけですが。野村選手が所属の頃と現在とでは距離感は変わっていますか、それとも同じですか。

青柳 そんなに変わらないですね。野村さんがデビューした直後に僕が入門して、あの人とほぼ一緒に生活したのが4、5年ぐらい続いたわけですけど、その頃でもそれほどコミュニケーションはとらなかったんです。必要最低限の連絡や報告ぐらいで、アジアタッグを獲った時に初めてご飯を食べにいって作戦会議をするようになりました。

薄いですねえ。

青柳 すごい薄いんですよ。それで今、所属でなくなっても一緒に全日本プロレスで頑張ってくれていますけど、一緒に練習することもないですから。

「全日本プロレスで頑張ってくれている」という感覚なんですね。

青柳 僕の偏見かもしれないけど、そういう感覚です。全日本をやめていったけれど、僕の全日本を盛り上げたいというのに反応を示してきてくれた。野村さんなりの考え、野村さんなりの全日本プロレスを盛り上げたいという思いをリングに上がって感じました。

理想を言えばカーニバルの優勝戦は野村選手と?

青柳 もちろん、一番はそうじゃないですか。自分が三冠を獲って野村さんとやるというのも一つの夢なので、カーニバルもそれに並ぶ舞台だと僕は思っています。

シングルとタッグのリーグ戦で優勝を経験し、世界タッグも奪取したとあれば、三冠ヘビー級獲得が残ったやるべきことになります。

青柳 カーニバルの連覇は、前年度覇者にとっての防衛戦のようなものになるわけで、ディフェンディングチャンピオンとして連覇した上で三冠にいかなければと思っています。

自分がチャンピオン・カーニバルを連覇した上で三冠王者になれば、全日本プロレスを変えられると思いますか。

青柳 そこは、勝手に変わるんだと思います。もちろん自分自身に変えようという意志がなければ変わらないでしょうけど、僕の中にある全日本の顏=宮原健斗、諏訪魔というのとタイプがまったく違う自分だからこそ変わるだろうし、変えられる自信はすごくあるんです。やらなければならないことなんて山積みですよ、全日本プロレスとしても青柳優馬自身としても。

昨年、団体創立50周年ということで一つの目標だった日本武道館大会を実現させましたが、自分自身が全日本の顔となったあかつきに実現させたい、やってみたいことはありますか。

青柳 記念試合だから武道館なのではなく、最低でも年に一度はそういうところでビッグマッチをやりたいですし、とにかく全日本プロレスを、もっともっと大好きになってもらうのが目標になります。

全日愛が強いですね。

青柳 やっぱり全日本プロレスで生きていますから、嘘でもこういうことを言っておかないと、ハッハッハ。

嘘ではないでしょう。全日本以外では去年の大晦日に年越しプロレスへ出場してとても楽しそうにやっていましたね。

青柳 あれはメチャメチャ楽しかったです。年越しプロレスというものがあるのはファンの頃から知っていて、僕の中ではネームバリューのある大会だったので出られたのはすごく光栄でしたし、しかも優勝できたのは…これも自慢の一つですよね。

なんでも自慢につながるんですね。

青柳 優勝したんだから、今年も出る権利はあるでしょうし、出たいですよ。ただ、12月31日は全日本プロレス、代々木第二体育館大会があるんですよね。なので、僕個人としてはダブルヘッダーで出るつもりでいます。

ダブルヘッダーどころか、年越しプロレスはワンナイトトーナメントですから優勝するなら一日5試合ぐらいになりますよ。

青柳 そこまでしてでも出たいです、これも前年度覇者として。あの雰囲気が、プロレスを体現した大会だなって思えましたし、雰囲気の違うところで試合ができるというのも楽しみの一つなんで、今年の目標は大晦日のダブルヘッダー。トーナメントが無理ならトーナメント以外のスペシャルマッチでもいいので。

2月21日の東京ドーム大会(武藤敬司引退試合)に出場したのもそうですが、そういう広がりの気運のようなものは感じます。

青柳 引き寄せの法則じゃないけど、思い続けてそれに向かって準備したり行動したりすればおのずとかなうと僕は信じていますので、そこは変わらずやっていきたい。今の時代、ネガティブなことが多いですからポジティブにいきたいんです。